独学MBA

 知識として学べるものはMBAのコースに通わなくても十分身につけられると思います。本当は、本では身に付かないものを求めてMBAプログラムに通うのだと思います。 ですから本来MBAは独学できないものです。そこでなにがしかの思想に裏付けられた、ずっしりと重みのある本を紹介してみることにしました。

 第1章 入門書 第2章 テキスト 第3章 実務書 第4章 副読本
 
第5章 原典 第6章 HBSP  第7章 Best Sellers  第8章 専門書

  [統計学 マーケティング・リサーチ 情報システム論 生産管理論 組織論]
 
第9章 ビジネスプラン

第1章 入門書  back to TOP

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 入門という点ではグロービスが編纂したMBAマネジメント・ブック」(ダイヤモンド社,¥2800)がよいと思います。MBAのコアコース(必修科目)で習う内容を広く浅く網羅しています。

改訂版の「新版 MBAマネジメント・ブック」も出ています。

旧版のセカンドハンドも手にはいるようです。 新版は、ITなど新しいトピックスが入っていますが、やや、発散傾向があります。

 旧版にはMBAを取り立ての人達が、自分たちが感動した講義のことをまとめた何かかがやくような躍動感が込められていたように思います。

cover  もう一冊、入門書として西山茂さんの戦略管理会計」(ダイヤモンド社,\3200)をあげておきます。 管理会計の視点で、MBAの必修コースで学習する内容がかなり盛り込まれています。

 MBAをターゲットにした編集ではないのです が、管理会計に関する基本的な考え方を辞書的に整理されている点で便利だと思います。様々な考え方を自分なりにまとめ直してみてはいかがでしょうか?

 マーケティングとファイナンスと 組織運営とをバラバラに考えていても実際には役に立ちません。いかに様々な分野を 統合していくかにこそ価値があると思います。 グロービスの「MBAマネジメントブック」より詳細に 解説されていますので、入門書2冊目として適していると思います。

第2章 テキスト  back to TOP

 ダイヤモンド社から出版されている「ファイナンシャル・マネジメント」は、ワシントン大学のロバート・ヒギンス教授が著した、実際にMBAプログラムで広く使われている入門テキストです。

 基本コンセプト(ROEの構造とROEによる経営分析)の紹介だけでなく、そのコンセプトの限界や事例も含まれており、かなり、実際のMBAプログラムで修得できる内容に近くなっているといえます。

cover  M&Aのクラスで広く使われている「Valuation」も日本経済新聞社から「企業 価値評価」として邦訳が出ています。財務諸表ベースの企業価値算定が詳しく 説明されていています。

第3章 実務書  back to TOP

 会計という分野では、学の領域と実務の領域をオーバーラップしているので、 実務書の形態で学術書の内容をカバーできるのではないかと考えます。

cover  長く会計の実務に携わり、米国でも会計士の資格(CPA)を持つ小島義輝さんの「ビジネス・ゼミナール英文会計」(日本経済新聞社、¥3800)は、その精緻で明快な解説で定評があります。MBAの財務会計のコアコース、中級コース、上級コースに相当する内容が凝縮されています。

 同じ著者の新書版()もあります 。

 辞書的な本なのですが、この本にも、著者の思想が感じられて、勉強する感動があります。

cover  実務書としては、中央経済社からでている「連結経営におけるキャッシュ ふろー計算書−その作成と分析・評価−」(菊池誠一、¥4800)は是非とも読みこなしておきたい1冊です。

 日本では1998年現在あまり一般的でないキャッシュフロー計算書を詳細に解説しています。

  英米のキャッシュフロー計算書の違いや、学会でも統一見解ができていないフリーキャッシュフロー についての代表的な見解など、他書では大ざっぱにまとめるだけで過ごしてしまっている説明の難しい部分が丁寧に解説されています。

 この丁寧さこそ、学問の基本ではないかと思います。

cover  本書「「利益」が見えれば会社が見える 」 (日本経済新聞社、泉谷裕、|1,600))は村田製作所の役員が書いたものです。数千億円規模の事業を展開する製造業の多くが抱えている悩みについて、明快に回答しています。回答は奇をてらったものではなく、ごくオーソドックスなものばかりです。しかし、オーソドックスな答えを体系的に明快に解説されている点は、驚くばかりです。大手の製造業の経営には欠かせない知識を吸収することができるでしょう。

 ここまでノウハウを公開してもいいのものか!と思えるすさまじい内容です。ある意味MBAを超えていると思います。一押し!この本はほんとに知識を超えていると思います。

 

 きつい表現のタイトルで、文体も、かなり乱暴な言葉遣いとなっています(こうしたところは私は好みません)。しかし「裏帳簿のススメ」(岡本吏郎、アスコム、1,575)は、大変、示唆に富んだ指摘を含んでいます。私自身も強く問題意識を持っていた、会社が払う、税金と社会保険についてや役員報酬について、論を展開しています。念頭にあるのが、日本に多い、家族経営の中小企業になっている点は、大企業に当てはめる際に整理し直す必要がありますが、論点は、大企業でも重要なことばかりと思います。

 基本的な考え方は、財務諸表(とくに損益計算書)は税金を計算するための法律に従っただけのものであって、会社の資金繰りや経営戦略には役に立たないということからなっています。私もそう思います。こうした点が管理会計が必要であることの理由なのですが、管理会計といいつつも損益計算書をそのまま使っている場合が多く、企業の経営という点では役に立っていないことが多いと思います。それについての気づきが多い本だと思います。
 

お金を集める技術』 は、ファンドの設立を数多く手がけてきた著者が例を豊富に提供しながらファンドについて解説しています。基本的な考慮要素は、配当、財産価値、税金、としてて、投資家の意思決定に税金に重要であることを含めて説いています。例が多く分かりやすい点、ファンド以外にも応用出来そうな意思決定の考え方が多く役に立つと思います

第4章 副読本  back to TOP

cover  副読本として是非押さえておきたいのが野中郁次郎教授の経営管理日経文庫(日経文庫)です。出版されたのが1980年とかなり古い著作ですが、1980年以前の経営学の系譜が簡潔にまとめられています。経営学史という位置づけで押さえておくのがよいと思います。

 1980年以降の経営学の歴史をまとめた本もあったらなあ〜と思います。

cover  日本評論社から吉本佳生さんが出している金融工学の悪魔―騙されないためのデリバティブとポートフォリオの理論・入門は金融をバックグラウンドにしないキャリアを積まれてきた方には大変役に立つ入門書と思います。オプションなどのデリバティブに関する説明が丁寧でかつ、詳細です。入門書にありがちな大ざっぱな説明になっておらず、知的好奇心も満足させてくれる一冊と思います。
 日本経済新聞社からでている「ウォール街のランダム・ウォーク―株式投資の不滅の真理」 (¥2800)は、現代投資理論を平易に解説しています。数式はほとんどなく歴史的な流れを丁寧に説明しています。当然、理論の証明部分は省略されています。しかし、全体の流れをつかむという点では大変有効です。(最近新装版が出ています)

新版もあります

cover  MBAのプログラムでは、経営分析のためのツールをたくさん習います。たくさん知っていれば 優れた経営者あるいは、経営参謀になれるというわけではありません。

 逆にツールを知らなくても 本質をつかむ能力に長けた方がたくさんいらっしゃいます。この違いは、基本的な頭の使い方を知っているか いないかから生じるものと考えられます。

 経営者、経営参謀としての基本的な頭の使い方を学ぶという 点で中島一(はじめ)氏の「意思決定入門日経文庫」日経文庫)をお薦めします。情報収集から、整理、分析、 問題の発見の仕方、さらに、意思決定者のスキルなどについて平易に解説されています。

cover  意思決定について、もう一歩踏み込んだ学習のためには中央公論社から出ている 「すぐれた意思決定―判断と選択の心理学」(印南一路、\1900)がよいと思います。

 意思決定についての一般的な 考え方は、既知として話が進められています。合理的意思決定手法がさまざまな 仮定のもとに成り立っていて、現実にはうまくいかないことや確率論をふまえた 意思決定に因果関係に慣れた思考が混ざってしまい過ちを犯しがちである点など 詳しく解説しています。

 心理学、経済学、ゲーム理論、コミュニケーション論など 既知の学問分野を学際的に統合している視点を楽しむことができます。

第5章 原典  back to TOP

ポーターの「競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか」 (ダイヤモンド社、\7750)やコトラーの「マーケティング原理 第9版―基礎理論から実践戦略まで」 (ダイヤモンド社、\9000)は古典的なMBAのテキストとして今でも大変な知名度です。
cover  ポーターのコンセプトはMBAのコアコースの一番最初に学習する項目です。

 ポーターのコンセプトは1つ1つがあまりにも有名なためにバラバラに理解されてしまいがちですが、「競争優位」の戦略の中ではすべてが一貫してつながるように体系的に整理されています。

 とくに、後半にでてくるシナリオアプローチは、5つの力モデルやヴァリュー・チェーンほど知名度がありませんが、戦略実立案においてはほかのコンセプト以上に重要な考え方です

cover  コトラーの「マーケティング原理」は学部学生向けの辞書のような作りであることから、実際のMBAの講義では直接的には使われません。まさに辞書代わりといった使われ方になります。

 ただし、本当に網羅的に書かれていますので、ある時点で一読してみるのも良いかと思います。

cover  スターン・スチュワート社がまとめているEVAについても原典EVA創造の経営―経済付加価値 (日興リサーチセンター、河田剛他訳、東洋経済新報社、\3,800)に当たられるのが良いと思います。

 一般には、配当などの資本コストを純利益から差し引く経営効率評価尺度の1つとされていますが、原典では研究開発費やリストラ費用を資産計上すべき点など管理会計を考える上で示唆に富む解説がなされています。

第6章 HBSP (Harvard Business School Publishing)  back to TOP

 実際のMBAの授業で使われているテキストは、英文のままでならはほとんど入手可能です。ハーバードビジネススクールのホームページには、新たにMBAのコースを担当することになった教員のために科目ごとの標準プログラム(テキストやケーススタディーなど)が公開されていて、そのほとんどをそのまま購入することが可能です。

第7章 Best Sellers  back to TOP

 ハマーの「リエンジニアリング革命―企業を根本から変える業務革新」 、ハメル&プラハラードの「コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略」、ジム・コリンズの 「ビジョナリー・カンパニーI II」、クレイトン・クリステンセンの 「イノベーションのジレンマ」は、出版当時、ビジネス書としてベストセラーになりました。流行したのコンセプトを知っておくという観点では読んでおいてもよいかもしれません。学術書 としての体裁を取っているのですが、コンセプトの方向性とネーミングの切れほどに、実際に使える考え方かというとそこまで入っていないように思います(このネーミングの妙はマーケティングとしては考えるべきトコロがあります)。

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第8章 専門書  back to TOP

 いくつかの分野については、商業ベースの出版の観点からみて十分な市場が見込めないために、いまだ、MBAという視点 でまとめられた良書が現れていません。

 ここまで見てきましたように、現在、MBAプログラム、特に必修科目で扱う内容については市販書籍等から多くのことを学ぶことができます。

 MBAをターゲットにまとめられた市販書籍から学べないことは 専門書を組み合わせて補完するという方法が良いのではないでしょうか。

 そうした分野としては、統計学、情報システム論、マーケティング・リサーチ、生産管理論、組織論などがあります。

 実際のところ、統計学やマーケティング・リサーチを除いては、アメリカのMBAプログラムにおいても確立されていない分野です(確立されていないというより、それぞれ専門的な知識が必要となり2年間では修得しきれないととらえた方がよいかもしれません)。

統計学  back to TOP

cover  統計学は、MBAプログラムの範囲では特に難しいものではありません。さらに、正確に言えば、 新しいモデルで、デリバティブを評価したり、市場予測をしたりするのはかなり難しいといえます。 しかし、既存のモデルを使いこなすだけなら、それほど難しくはありません。
 サンプルの平均値から母集団の平均値の予測をする手法や、 2つのカテゴリーグループの相関関係を評価する手法、グループごとの平均値のばらつきを評価する手法、
リグレッションによる傾向分析、

 などは統計で押さえる範囲になります。それより上級な 分析は、ファイナンスの上級コースやマーケティング・リサーチで扱うことになります。

 最近刊行された「リスク―神々への反逆」(ピータ−・バーンスタイン,青山護 訳,日本経済新聞社,\2200) は確率計算,統計概念の歴史を丹念にトレースした数学史書です。しかし,歴史的に業績を上げた人の 人柄や,時代背景を含めて紹介されていて,おもしろく読み通すことができます。名著といえると思います。

マーケティング・リサーチ  back to TOP

 マーケティングリサーチは、基本的には統計学を用います。 実際に、ビジネスの企画立案に役立つ水準の統計学は大変難解です。 理論的な、証明まで理解するのは大変です。実際に使いこなすだけでも なかなか骨が折れます。そうした領域には、 
  1. Multi Regretssion Analysis
  2. Multivariate Analysis of Variance
  3. Factor Analysis
  4. Conjoint Analysis
  5. Structural Equation Modeling

等があります。

Multi Regression Analysis

 たとえば、販売数量の変化と、価格、天候、棚位置、販促の有無、他店の価格動向、他店の棚位置、他店の 販促の有無、などたくさんの要因を一度に計算して、どの程度それぞれの要因が影響力を持つのかを 分析する手法です。方法論自体も理解しやすく、実用的な手法です。計算は、パソコン等で簡便に 行うことができます。

Multivariate Analysis of variance

 相関性のあると思われる要因同士の関係性を統計的に処理する手法です。Analysis of Variance(ANOVA) をよりフレキシブルに活用する手法といえます。たとえば、相関性を時系列に整理してみたいときや、 いくつかの要因を組み合わせたもの同士の関係性等を統計的に整理する際に有効です。

Factor Analysis

 たとえば、あるカテゴリーを構成する要素がそのカテゴリーに分類してふさわしいのかどうかを 分析することができます。実際には、いくつかのカテゴリーとの比較をして相対的にその カテゴリーによりふさわしいかどうかを判定します。

Conjoint Analysis

 たとえば、ある製品について、顧客がいくつかの性質(値段、おいしさ、美しさ、利便性、色合い、携帯性など) を感じるとき、どの性質がどのくらい購買に影響を与えるのかを調べる手法です。Regression Analysisとの 違いは、性質を段階的に変化させたときに、もっとも有効な「程度」を検出する点です。一般的に、ある 性質を際限なく組み込んだ場合、マイナスの効果が出るものです。どこまで、増やせばいいか どういう組み合わせにするのがいいかを分析する手法です。

Stractural Equation Model

 どの要因がどういう結果に結びつくのかあやふやな状態で、考えられる因果関係の構造を 統計的に抽出する手法です。

 マーケティングリサーチの専門書は大変難しいものが多いのですが、「やさしい」と銘打たれています 「やさしいマーケティングのたの多変量解析」 (清水功次、産能大学出版部、\2000)をご紹介いたします。「やさしい」とありますが、かなりの歯ごたえです。

情報システム論  back to TOP

cover  「業務別データベース設計のためのデータモデリング入門は強力な本です。多くの会社が情報システムの改革に悩んでいます。その問題の根本にはデータの構造を整理できていないことがあります。本書は、データ構造の整理について丁寧に解説しています。MBAではまずやりませんし、コンピューターサイエンスでもやらない内容ですが、まさに、本書の内容が企業の情報システムの肝に成る部分です。
 情報システム論は、意思決定のコンセプトを対象にしない点で、MBAプログラムで習う他の多くの科目と異なっています(正確には意思決定支援システムも対象になりますが、現段階では実用的ではありません)。

 情報システムは企業構造のインフラの一つであって、意思決定を効率化させるツールです。そのため、頭の中で、情報システムの戦略的あるいわ経営的有効性が理解できても、それだけでは役に立ちません。

 有効な情報システムを建設して実際に稼働させなくては経営には役立ちません。経営的な意思決定だけでなく、現状の組織にしがみつきたがる組織の習性や、日常の業務的な作業の運営まで理解しないと情報システムを理解したとはいえません。

 これには、主な情報技術を理解するとともに、組織改革の方法論を身につけることが必要になります。 組織改革の方法論としては、組織全体にわたる大きな改変の方法論(たとえばBPR)や特定業務の業務改善(いわゆるKAIZEN)などがあります。

 また、情報システムを構築するためには情報技術だけでは 不足です。経理の情報システムを構築するなら経理の知識が必要になります。顧客管理の情報システムを 構築するなら顧客管理の知識が必要になります。

 情報技術だけでなく業務の知識を修得してはじめて情報システムを構築することができます。MBAで扱う情報システム論であっても、経営支援情報システムだけではありません。マーケティングや生産管理、人事管理などさまざまな分野が対象になります。

 つまり、MBAで学ぶ情報システム論としては

  1. 基本的な情報技術
  2. 組織改革の方法論
  3. 業務知識

の3つが必要になるということです。

生産管理論  back to TOP

 生産管理に関しては、日本においても研究が進んでいまして、たくさんの優れた専門書を手に入れることが出来ます。

 ここでは、生産管理論の範囲をつかむためにSteven Nahmiasの"Production and Operations Analysis" の目次を紹介いたします。(邦訳は出ていないと思います)。この内容を一通り 押さえれば、生産管理やサプライチェーンマネジメントの基礎は身につけられると思います。

  1. 戦略と競争
  2. 予測
  3. 集約計画
  4. 線形計画
  5. 確定需要下での在庫管理
  6. 不確定需要かでの在庫管理
  7. MRPとJIT(プッシュ型とプル型)
  8. 操業計画
  9. 待ち行列理論
  10. プロジェクト計画
  11. 設備配置
  12. 品質と保証
  13. 信頼性と保守
  14. 最新技術動向
 生産管理の思想の部分は、藤本隆宏さんの「日本のもの造り哲学」がお奨めです。藤本さんには、トヨタの研究や生産管理システムの研究など多数の著書があります。この本は、 日本とアメリカ、中国、欧州の製造業をマクロな戦略論として比較してあり、生産管理から出発した経営戦略論として秀逸な論が展開されています。
cover  予測については、計画策定と意思決定のための予測手法入門(スピロス マクリダキス他 98/08 同文館 \4200)があります。予測手法の基礎を学ぶことができます。

 ただし、入手が難しくなっているようです。

cover  生産管理やサプライチェーンは学問としても歴史のある領域でたくさん本がありますが、ここでは、「サプライチェーンの時代 現代ロジスティクスの発展 」(阿保栄司、同友館、3000円)を上げておきます。歴史を踏まえて書いてあるところが良いと思います。歴史を踏まえておくことははやりの手法に目を奪われなくなるいい方法だと思います。
cover  最近ではエイアフ・ゴールドラット氏のTheory of Constraintsが大変注目されています。氏の著書「ザ・ゴール」 はMBA のプログラムで副読本として広く採用されています。

組織論  back to TOP

 組織論としては、
  1. 組織内政治
  2. リーダーシップ
  3. ネゴシエーション
  4. ヒューマンリソースマネジメント

等があります。

組織内政治

 MBAのプログラムでは、スタンフォード大学のジェフリー・フェファー教授のテキスト 「Managing with Power」が広く採用されています。邦訳は出ていないようです。権力の 根源や権力の獲得の仕方、権力の行使の仕方を解説しています。フォーマルな権力 だけでなく人気度なども、権力の根源になるというような体感的にはわかっていても 理論的に示しにくい領域も含めて検討されています。

 
リーダーシップ

  書店に行けば、リーダーシップに関した本はたくさん出ていますが、理論的に リーダーシップを考察した書籍はなかなかみあたりません。 リーダーシップの歴史や様々な類型方法、またリーダーシップ獲得のトレーニング手法の数々などを 広く学ぶのが、学としてのまた実践としてのリーダシップ論だと思います。ここでは、リーダーシップ 研究の歴史を概観しているM.M.チェマーズの「リーダーシップの統合理論」(白樫三四郎、北大路書房、\3,800)を紹介しておきます。  

cover  学としてのリーダーシップ研究書ではありませんが、 私の知る限りで、最も示唆に富むリーダーシップに関する著作として (手に入りにくい著作です) ダイヤモンド社から93年に出版されたリーダーシップの本質(John W. Gardner、加藤幹雄訳)を推薦します。

 Gardnerは、多元社会において 拡散したリーダーシップがどのように機能し、また次なる使命として 何を求めらられているのかを説いています。

 氏は、現在の教育システムでは 優秀な個人が、個人の成績至上主義を価値感の基礎としてしまい 他人との関係性の構築に目がいかなくなっていること、 リーダーはフォロワーズとの関係性の中でリーダーシップ 発揮しているにすぎないこと、さらに、詩人や作家などが持つ 人の心の奥底にある感情を解放するスキルが重要であることなど指摘しています。

 cover ネゴシエーション

  ハーバード流”NO”と言わせない交渉術 (ウィリアム・ユーリー、三笠書房、1365円)シリーズは改訂されつつ版を重ねています。交渉に関しての一つの考え方として大変参考になると思います。

 私と一緒に東大先端研で講師をしている一色正彦さんの契約交渉関連の推薦図書リストです。

ヒューマンリソースマネジメント

  ヒューマンリソースマネジメントというとたいそうですが、人のこ ころをどうつかむかについてはなかなかいい本はありません。ある種、宗教に近いものなのかもしれません。そんんな中で、人事制度の仕組みを丹念に整理された本があり、とてもさんこうになります。年功序列が悪くて、成果主義が良いという単純なことではなく、成果主義の仕組みも、年功序列に運用さえがちであるのが組織の本質であることをよく掴めると思います。「直観でわかる人事の仕組み」(東洋経済新報社、人事システム研究会、1600円)

役員会

   「CEOアカデミー」(日本経済新聞社、2,310円)は、ほとんどの人にとって役員会のことを書いています。ですから、関係ないといえば関係ないことなのですが、経営会議と取締役会(日米で概念の違いがあります)の関係について書かれている珍しい本です。社長が取締役会の会長も務めるべきか否か、取締役会を意義ある集まりにするにはどうすればいいか、など、普段、関心を持たないことですが、いざ、会社を経営するとなると必要なことが体験談風に書かれています。

第9章 ビジネスプラン  back to TOP

21世紀のビジネスマンにとって最も重要となるスキルはビジネスプランを立て実現させていく知識と能力だと思います。プロアクティブに考え、マネージャーではなくリーダーとして新しいビジネスを生み出していくスキルがもとめられるわけです。ビジネスプランを立てて実現していくには、 これまで見てきたすべての知識を融合して活用する必要があります。事業計画の体裁についてはWeb上でも情報収集出来ますので、以下のサイトを紹介させていただきます。
 現在は早稲田大学で教鞭を執られている大江建さんは、ベンチャー研究で非常に興味ある著作を出されています。

 「なぜ新規事業は成功しないのか」(日本経済新聞社、2000円)はタイトル通り、企業が取り組み新規事業がうまくいかない原因を整理しています。

 ゼロからはじめるベンチャーについてよりも、企業の中での新規事業についての研究の方が、現実的で、参考になるところが多いと思います。

 「コンサルティングマインド」 (PHP研究所、1835円)で著名な野口吉昭が書かれている「ビジネスプラン策定シナリオ(かんき出版、2660円)をご覧いただければ、フォーマットとしてのビジネスプラン(事業計画)は大よそイメージがつくと思います。

 この本自身も単なるフォーマットとしてのビジネスプラン(事業計画)を超える視点に工夫を凝らされていますが、やはりビジネスプラン(事業計画)は実際に立ててみて実行に移してみてうまくいかないことを何度も経験されて身に付いていくものと思います。

 リクルート社の情報誌「アントレ」のオンライン版です。個人から投稿された事業化アイディアがアクセスのランキングを元に掲載されています。

 この中で特に役に立つと思われるのは、
です。資金調達先から、会社設立手順、事業計画の立て方まで、実務的な情報が網羅されています。

 大和証券系の日本インベストメントファイナンスのホームページには事業化のテクニックがたくさん掲載されています。

会社設立の仕方や本格的な 事業計画書のフォーマット経営分析手法の解説など役に立つ内容が満載です。

全体として投資をする側の視点で作られていますので投資を受ける側の作戦を考える上で参考になります。ただし、ゼロからの起業というよりかなりスケールの大きな、事業への投資の感が強いようです。